大学中退で派遣社員になるリスク|正社員になれる割合と雇い止めについて

大学中退で派遣社員になるリスク|正社員になれる割合と雇い止めについて

大学中退で派遣社員になるリスク|正社員になれる割合と雇い止めについて
  • 大学を中退して正社員になれそうもないから派遣から始めようかな…
  • 派遣社員は気楽に働けるって聞いたけど本当?
  • 派遣からスタートして正社員になれた大学中退者っているの?

 

派遣社員は正社員になるよりもハードルが低いです。派遣からスタートして正社員になる、という方法もあるので、大学を中退した後に派遣社員になる人も少なくはありません。

しかし、派遣社員から正社員になれた人は割合的にそこまで多くないです。そもそも派遣の制度は、企業が経営のリスクを軽減するために取り入れられているので、正社員になるには相当な高い能力が求められます。

 

この記事は、大学中退者が派遣社員から正社員を目指すリスクについてまとめました。派遣から始めて正社員になるには時間もかかるので、しっかりと情報をおさえた上で考えるようにしましょう。

特に紹介予定派遣の制度は、聞こえは良いものの実態はそこまで良くありません。正社員になれた具体的な割合も紹介します。

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大学中退者が派遣社員として働いている割合

大学を中退した後、派遣社員として働いている人の割合はそこまで多くはありません。2012年に調査された結果をご紹介します。

大学中退者の雇用形態の割合

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

 

大谷

派遣社員で働くよりもアルバイトの方が多く、特に女性は45%と半分近くがアルバイトとして雇用されています。

基本的には、大学中退後はアルバイトか正社員か2つの選択肢で考えているようで、派遣は第3の選択肢と考える場合が多いことがわかります。

 

大卒者の派遣の割合は少しだけ少ない

大学中退者がしぶしぶ派遣をしているのか確認するため、大卒者の派遣の割合と比べてみましょう。

大学卒業者と中退者の雇用形態の割合の比較

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

 

派遣社員で言えば大卒が8.6%、大学中退で10.5%なので、そこまで大きな違いはありませんでした。

その一方で、アルバイトの割合は大卒が9.2%、大学中退が36.2%です。つまり正社員になれなかった大学中退者は、派遣ではなくアルバイトを選んでいると言えるでしょう。

 

派遣社員のメリット

派遣社員はアルバイトや正社員とは違うメリットが3つあります。

  • 残業や休日出勤がない
  • アルバイトよりも高収入
  • ほどほどに責任のある仕事ができる

 

必ずではないものの、原則としては残業はないし休日も休めます。特に時給はアルバイトと比べるとかなり良く、場合によっては月収が正社員をしのぐこともあるほど。

また、アルバイトよりは任される業務レベルが上がるものの、とはいえ正社員ほどは求められません。そのため、程良い緊張感で仕事ができるので、働き始めであれば正社員よりも取り組みやすい雇用形態でしょう。

 

大学中退で派遣社員から始めるリスク

派遣社員の働き先は、正社員よりも比較的簡単に見つけられます。そのため、大学中退だとなかなか正社員になれないということもあり、派遣から始める人も少なくはありません。

 

しかし、派遣社員になって働くのは、実はそれなりのリスクが伴います。そのリスクを4つに分けて解説しましょう。

  • 正社員になれるのは能力の高い人だけ
  • 業績次第で派遣切りにあう可能性がある
  • 派遣の労働実績は評価が低く見られがち
  • 派遣先が順調に見つかるのは若い間だけ

 

正社員になれるのは能力の高い人だけ

企業が派遣を雇う理由は、コストの削減と業務の効率化のためです。限定的に必要なだけの労働力を入れるために派遣社員を雇っているので、そもそも正社員にさせる気がないのが一般的です。

ある調査結果をもとに派遣から正社員になれた割合を計算すると、約17%ほどしかありませんでした。つまり、企業から能力を認められない限り、正社員にはなれないのです。

 

また、派遣には正社員として雇う前提の紹介予定派遣という制度があります。

しかし、この制度だとさらに確率が低く、実は約14%ほどしか正社員になれていません。紹介予定派遣でも、能力が高くなければ正社員にはなれないのです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

派遣から正社員になれる人ってどんな人?【なった人っているの?】

 

業績次第で派遣切りにあう可能性がある

派遣切りとは?

  • 契約期間の満了でそのまま契約を打ち切られる、あるいは契約期間の途中で打ち切られることを指す

 

正社員の場合、業績が悪化しても簡単には解雇できません。役員の報酬をカットしたり、余計な経費を限界まで削減して、それでもダメな場合のみリストラを行うことができます。

ですが、派遣社員には契約期間があります。そのため、経営状況が良くなければ、派遣社員から先にカットするのが会社としては普通の判断です。

 

大谷
派遣社員であれば、よほど能力が高くない限り、派遣切りのリスクが常にあります。

正社員になるには、そのリスクを背負いながら何年も耐えなければならず、たとえ耐えても必ずしも正社員になれるとは限らないのです。

 

派遣の労働実績は評価が低く見られがち

一般的に雇用形態の評価は以下のようになります。

正社員≫契約社員≫派遣社員≫アルバイト

 

履歴書の経歴欄には、派遣もアルバイトも記載しなければいけません。しかし、どちらも短期的な労働力として雇っている企業が多いので、職歴とはみなされず、能力がないと判断される場合が多いです。

 

もちろん、すべての企業がそうとは限りません。

ですが、派遣切りにあった上、何年も真面目に働いたのに職歴だとみなされないのは精神的にも相当キツいはずです。派遣はその可能性がかなり高いと言えます。

 

派遣先が順調に見つかるのは若い間だけ

派遣社員は特殊な能力や経験がある場合を除けば、若い人が優遇されるのが普通です。

若い方が物覚えが良く、扱いやすいというメリットがあります。そのため、多少の職歴の違いがある程度なら、できるだけ若い人を雇いたいと考えるのが当たり前でしょう。

 

今は派遣社員として十分働き先がありますが、30代や40代になっても同じかというとそうとは限りません。いずれは、派遣社員としても雇ってもらえなくなる可能性もあるので、若いうちに正社員になる方がリスクは小さいです。

 

派遣社員の3年ルールについて

派遣の世界には「3年ルール」と呼ばれる言葉があります。2015年に労働者派遣法が改正されて、派遣社員は同じ場所で3年以上働けないことになりました。

大谷
つまり、3年後に契約を打ち切るか、直接雇用をするか、どちらかを派遣先の企業は選ばなくてはならないのです。

 

しかし現状は、4人のうち3人が契約期間の満了にともなって契約を切られています。しかも、仮に直接雇用されても、契約社員やアルバイトという可能性が高いのです。

3年ルールは「3年我慢すれば正社員になれる」と勘違いする人が多いですが、実際はそうではありません。結局は能力次第で、正社員になれるかどうかが決まります。

参考記事

3年たてば派遣から正社員になれる?【直接雇用は4人に1人の現実】

 

リスクをしっかり考えて派遣社員になるか決めよう

派遣社員は正社員よりもなれる可能性が高いです。

しかし、そこから正社員に切り替わる人はあまり多くはありません。短期的に働くためであれば良いですが、正社員を目指すために派遣から始めるのはかなりのリスクがあります。

 

また、大学を中退しているため、派遣期間が長いと余計に就職から遠ざかる可能性も少なくはないです。これらのリスクを考えた上で、派遣社員になるべきか決めましょう。

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