フリーターの平均年収について|手取りアップの方法と考えるべき2つの問題

フリーターの年収は、働く時間や雇用形態によって大きく変わります。

単純に【時給×労働時間】で計算できれば良いのですが、社会保険等が絡んでくるとかなり複雑になります。そのため、結局のところフリーターはいくらの年収や月収になるのか、不安に感じている方はきっと多いでしょう。

 

大谷
また、同じフリーターの方がどれくらいの収入を得ているのか、自分はまわりと比べて多いのか少ないのか知りたい、という方も少なからずいるはずです。

そこでこの記事では、以下の内容をご紹介します。

  • フリーターの平均年収
  • フリーターの手取りの計算方法
  • フリーターの収入で一人暮らしは可能か?
  • フリーターで収入をアップする具体的方法
  • フリーターの収入で考えるべき2つの問題

 

今後の生活プランを考える上で、毎月の収入は重要な要素。きっちりと生活設計できるようにご紹介していきますので、順に読み進めていきましょう。

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フリーターの平均年収

まずは、全国のフリーターがどれくらいの収入を得ているのか、アンケート結果をもとに平均年収をチェックします。

ただし、フリーターの場合、労働時間が人によってバラバラです。ですので、1週間の平均労働時間も合わせて掲載しますので、ご自分のアルバイト時間とも一緒に比較してみましょう。

男性アルバイト女性アルバイト
20〜24歳年収125.5万117.3万
週労働時間34.5時間31.6時間
25〜29歳年収136.6万119.1万
週労働時間34.6時間30.3時間
30〜34歳年収151.9万110.2万
週労働時間36.0時間28.1時間
35〜39歳年収152.8万96.5万
週労働時間35.1時間25.1時間
40〜44歳年収147.3万91.3万
週労働時間35.5時間24.2時間
45〜49歳年収148.2万92.6万
週労働時間36.6時間23.7時間

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構『若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③―平成29年版「就業構造基本調査」―

 

男性で一番多いのは35〜39歳の平均年収152.8万円で、女性は25〜29歳の平均年収119.1万円でした。

一見、女性の方が収入が低いように見えますが、男性よりも労働時間がかなり短いので、どうしても平均の年収は下がることになります。

 

また、男性は1週間で35時間前後のアルバイトをしていますが、1日8時間で週5日の出勤であれば40時間です。

つまり、男性フリーターはフルタイムとほぼ同じ時間働いていることになりますが、それでも平均年収は最高でも150万円を超える程度。かなり年収は低いことがわかります。

 

これを12ヶ月で割り、平均の月収を計算すると以下のようになります。

男性アルバイト女性アルバイト
20〜24歳10.5万9.8万
25〜29歳11.4万9.9万
30〜34歳12.7万9.2万
35〜39歳12.7万8.0万
40〜44歳12.3万7.6万
45〜49歳12.4万7.7万

 

男性フリーターは毎月12万円前後、女性フリーターにいたっては平均月収は10万円にも満たないことがわかりました。

やっぱりフリーターの収入って低いんですね。

 

フリーターの手取りを平均年収から計算

先ほど紹介した平均年収や月収は、あくまで総収入です。手取りの金額は、収入から社会保険や税金を差し引かなくてはなりません。

ですので、フリーターの手元に残る金額をよりはっきりさせるため、手取り額を計算してみましょう。

 

大谷
とは言え、手取りの計算は住んでいる地域や雇用保険加入の有無など、それぞれの条件によってまったく異なります。

そこで参考として条件を以下とした上で、時給別に毎月の手取りを計算します。

  • 40歳未満
  • 東京都に住んでいる
  • 社会保険に加入している
  • フルタイムで毎月21日間の出勤
  • 扶養家族はなし

 

この条件をもとに、「手取り給料シミュレーション」を使って時給別に計算するとこうなります。

時給月収手取り
800円13.4万11.4万
900円15.1万12.7万
1,000円16.8万14.1万
1,100円18.5万15.6万
1,200円20.2万16.9万

 

さらに、この毎月の手取りを12ヶ月分すれば、年収で手元に残るお金が計算できます。

時給年収手取り
800円160.8万136.8万
900円181.2万152.4万
1,000円201.6万169.2万
1,100円222.0万187.2万
1,200円242.4万202.8万

 

こうしてみると、保険料等で年収からかなり差し引かれていますね。

この差し引かれている保険料が一体何なのか知らない人も多いと思いますので、フリーターの手取りに関係する保険料や税金に少し触れておきます。

 

フリーターの手取りに影響する税金と保険料について

正社員やフリーターに関わらず、収入から社会保険料や各種税金を差し引いた金額が手取りとなります。

では、具体的にどんなものが差し引かれているのか、その項目と内容を以下にまとめます。

 

国民年金と厚生年金

国民年金は、20歳以上60歳未満の日本国内の人は全員加入しなければいけません。

2021年における毎月の納付額は16,610円で、もし未納の期間があると、その分だけ老後にもらえる年金が少なくなります。その上、病気や怪我で障害認定された際にもらえる障害年金も受け取れないこともあるんです。

参考記事

 

厚生年金は、基本的には会社員や公務員が加入する年金ですが、フリーターでも条件がそろえば加入できます。加入していると、将来的に受け取れる年金受給額が増えるので、よく「二階建て部分」と表現されることが多いです。

国民年金は毎月決まった金額を納めますが、厚生年金は受け取った給与によって決まります。給料が増えればそれだけ納める金額も増えるのですが、その分だけ老後に受給する年金も増えます。

参考記事

 

健康保険

日本では全員、何かしらの健康保険制度に加入しなければなりません。会社員(一部フリーター含む)や公務員は「健康保険」、自営業やアルバイトは「国民健康保険」に加入します。

納付金額は収入によって変わり、毎月しっかり納めていれば医療費が3割で済みます。ただ、滞納すれば医療費は全額負担となり、場合によっては財産の差し押さえになるケースも。

 

所得税と住民税

所得税は自らが稼いだお金に対してかかる税金で、国が徴収しています。住民税も同じく所得に対してかかる税金ですが、都道府県や市区町村が徴収しているので地方税という言い方をされています。

ただし、アルバイト全員が所得税と住民税を支払うわけではありません。所得税は年収が103万円以上、住民税は大体100万円以上になると課税されるので、払いたくない!という人はこの額以下に収入を抑える必要があります。

 

フリーターの収入で一人暮らしはできるのか?

フリーターの収入で一人暮らしをすることは、結論からいえば可能です。

大谷
実際、僕はフリーター時代に一人暮らしをしていたので、できないというと嘘になります。

 

ただ、固定費などを考えるとかなりギリギリになるケースが多いので、収支はシビアにならなければいけません。

まず、一人暮らしをするにあたり、毎月どのようなお金が必要になるのか、項目とおよその金額を以下にまとめます。

  • 家賃:50,000円
  • 光熱費:10,000円
  • 食費:25,000円
  • 通信費:7,000円
  • 医療費:3,000円
  • 被服費:5,000円
  • 生活用品費:5,000円
  • 交際費:10,000円

合計:115,000円

 

時給800円での毎月の手取りは11.4万円ほどと計算できるので、それ以上の時給であれば一人暮らしはなんとか可能と言えます。

 

フリーターの収入は常に不安定

計算上では一人暮らしはできるとはいえ、アルバイトは正社員と違い毎月の収入が非常に不安定です。

例えば、2月は28日しかないので、労働日数が少ないためにどうしても収入は少なくなります。また、シフトが減ったり労働時間が短くなるケース、あるいは勤め先の店舗が休業して全く収入がなくなる可能性も考えられるので、フリーターで一人暮らしはあまり得策とは言えないでしょう。

 

フリーターの収入をアップさせる方法

フリーターのままで高収入を手にしたい、という人は少ないないはずです。アルバイトでたくさんのお金を稼ぐには、以下の2つの手段しか方法はありません。

  • 高時給のアルバイトをする
  • 労働時間や労働日数を増やす

 

時給が1,500円であれば、【1,500円×8時間×20日=24万円】となり手取りでも19万円ほど。あるいは、毎日10時間、30日働き詰めなら時給1,000円でも【1,000円×10時間×30日=30万円】です。

 

しかし、休みなく働くのは、体力的にも精神的にも大変ですので、収入をアップしたいなら高時給のアルバイトをすることをおすすめします。

塾講師やコールセンターであれば、よく求人が出ていますのでチェックしてみましょう。

 

フリーターの収入で考えるべき2つの問題

フリーターでもしっかりと働けば、一人暮らしをするくらいの収入を得ることは可能です。また、高時給のアルバイトや労働時間・日数を増やせば、手取りにも余裕が出てくるので、貯金をすることもできるでしょう。

 

ですがフリーターには、今すぐにはわからない問題が2つ潜んでいます。

大谷
そのことを知らないままだと、将来困る可能性は大きいですので、どんな問題があるのかここでしっかりと押さえておきましょう。

 

時給は大してアップしない

アルバイトでも続けていれば、少しずつ時給は上がっていきます。

しかし、上がるとはいえ、500円も1,000円もアップするわけではありません。その証拠が以下のグラフです。

アルバイトの性別・年齢別平均時給

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構『若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③―平成29年版「就業構造基本調査」―

 

男性は35〜39歳でようやく1,000円越え、女性にいたっては平均の時給が1,000円を超えることはありません。

年齢が高いほど、アルバイトの経歴も長くなりますので、時給もアップしているはずです。ですが実際は、時給1,000円がやっとのところ。アルバイトは長く続けても、時給はほとんど上がらないのです。

 

老後の年金受給額は少ない

基本的にはフリーターは、国民年金だけに加入しているケースが多いです。

65歳以降で受け取れる国民年金は、満額でも毎月6万5千円程度。総務省統計局が発表した令和2年の家計調査報告によると、65歳以上の一人暮らしでの平均支出は144,687円です。つまり、国民年金を満額受け取っても、毎月8万円ほどお金が足りません。

 

さらに、収めていない期間があれば受給額はさらに少なくなるので、より生活は厳しくなります。

つまり、今はまだフリーターでも心配ないですが、いづれは正社員になるなどの対策を考えなくてはいけないのです。

 

正社員であれば厚生年金に加入できますし、収入も年齢とともに増えていきますから、フリーターよりもかなり安泰と言えます。以下の記事でフリーターと正社員の収入の差をまとめましたので、チェックすることをおすすめします

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以上、フリーターの年収や手取りについてまとめました。