大学中退での就職面接|中退理由ランキングとケース別の上手な伝え方

大学中退の理由は、就職面接で必ずと言っていいほど聞かれる質問の1つです。この質問に対し、うまく返すことができれば、就職に大きく近づくことができます。

とはいえ、就職の面接なんて経験したことは普通ありませんから、どう伝えればいいのかわからないはずです。そこでこの記事では、大学中退の上手な伝え方をテーマにまとめました。ポイントは『ポジティブ』です。

 

  • 大学中退の理由ランキング
  • 大学中退の就職面接を成功させる最大のポイント
  • 面接官へ大学中退を上手に伝える方法と例文
  • 就職面接におすすめのYouTube教材

記事の内容はこのようになっています。

 

大谷
僕も大学を中退していますので、就職面接では相当に苦労しました。

どんな点に苦労したのか、経験からわかったことも多いですので、その辺りも踏まえて同じ悩みのある皆さんに共有できれば嬉しいです。

 

大学中退した理由ランキング

大学中退をする人は皆さんだけではなく、その数は年間で5万人を超えています。

そして当然、その人それぞれに大学を中退した理由はあります。中には「それは仕方ないか…」というものもあるので、大学中退という経歴だけで面接官からバッサリ切られる、ということはあまりありません。

 

では、どんな理由で大学を中退しているのか、アンケート調査を元にランキング形式で紹介します。

 

勉強に興味・関心が持てなかった

中退した51.8%の人が「勉強に関心が持てなかった」と回答しています。

僕もそうでしたが、まわりが大学に行くのでなんとなく学部を選んで進んだ、という人は多いですよね?大学は専門的な領域を学ぶので、興味が持てなければ通う気がなくなるのは当然と言えるかもしれません。

 

単位が不足した

49%が「単位が足りなかった」と回答しました。

大学は一定の学力や課題をクリアできないとあっさりと単位を落としますからね。また、必要な単位数がわからない、という人も中にはいますので、すべてが学業不振ということではないようです。

 

経済的に苦しかった

29.6%が経済的な事情によって中退しています。国公立でも年間授業料は50万円以上、1人暮らしだと家賃や光熱費も必要ですから、払えなくなる人はたくさんいるわけです。

また2020〜2021年は新型コロナウイルスの影響もありましたので、その期間に中退した人は経済的な理由の人がかなり多いでしょう。

 

遅刻や欠席が多かった

22.4%が「遅刻や欠席の多さ」が原因だと回答しています。良くも悪くも大学は自由なので、その自由にかまけて「今日はいいや!」が続いてしまうケースは多いでしょう。

あるいは、学費を工面するためにアルバイトを必死でしていて、そのために欠席や遅刻が多くなる人もいます。

 

仕事をしたいと思った

21%が「仕事を始めたい」と回答しました。

大谷
僕も同じですが、興味の持てない学業よりも、とりあえず社会に出て仕事をするということに関心を持ち始めた人も多いです。

 

そのほかにもいろいろな理由がありますので、大学中退理由について回答別の割合をグラフ化しました。

大学中退の理由別割合

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究

 

友人や教員とうまく付き合えなかった人もかなり多かったようです。

まったく新しい土地で誰も知り合いがいない、という体験は大学に進んでようやく経験するので、戸惑う気持ちもよくわかります。

 

新型コロナウイルスの影響による大学中退理由

新型コロナウイルスは、大学生活にも大きな影響を及ぼしました。

結果的に大学を中退することになった人も多かったようで、どんな理由で中退したのか文部科学省の調査結果をグラフ化しました(データは令和2年度分)。

新型コロナウイルスによる大学中退の理由

引用:文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生への支援状況等に関する調査(令和3年3月末時点)

 

一番多かったのは「経済的困窮」で16.7%。両親の収入が減りアルバイト先も休業、学費や生活費が工面できずに泣く泣く中退した人が多かったはずです。

また、「学生生活不適応・修学意欲低下」が15.3%と多く、ほとんどがオンライン授業に切り替わったことで、友達ができず勉強も身が入らない大学生が増えた、ということでしょう。

 

このように、大学中退は理由がそれぞれあるので、なぜ中退したのか面接官が疑問に思うのは当然なのです。そのため、中退理由の対策は必須ですので、必ず自分の中退理由に合わせて回答は準備しておきましょう。

 

大学中退の就職面接の最大のポイント

大学を中退した理由は、マイナスな印象を与えてしまうことがほとんどです。

例えば、「勉強に興味・関心が持てなかった」としたら、仮に就職した後に同じことになればすぐに退職するだろう、とイメージされます。あるいは「遅刻や欠席が多かった」となれば、就業時間を守れるのか?クライアントとの約束を放棄しないか?と考えるものです。

 

また以下のように、大学中退というだけで理由は関係なく悪者扱いする面接官も一定数います。

 

このツイートと同じような経験を僕もしています。ですので、大学中退における就職面接の最大のポイントはこれです。

大学中退を悪いこととと考えず堂々と振る舞う

 

自信がない人を会社は雇おうと思いません。

大谷
まずは、「大学中退しましたけど何か?」くらいの気持ちで、精神的に負けない心が重要です。

 

大学中退した理由別の上手な伝え方(例文あり)

具体的に大学中退した理由をどう伝えていけばいいのか、例文を踏まえてまとめていきます。

まず、大学中退した経歴について、面接官に伝える方法としては2種類あることを理解しましょう。1つは面接ですが、もう1つは履歴書です。

 

履歴書には中退した理由を書く方が良い

詳細は『大学中退の最終学歴|履歴書の書き方と書かない場合のデメリット』にまとめていますので、ここでは簡単にお話ししておきます。

大学中退の経歴は履歴書に記載するものですが、同時にその理由についても書くべきです。というのも、書類選考はその書類だけですべて判断しますので、理由によっては書いた方が相手も余計な詮索をすることがなくなります。

 

ただし、書かない方がいい理由もあるので、その辺りは先ほど紹介した別記事をご覧ください。

 

大学中退理由別の上手な伝え方と例文

大学中退の理由について、多くの面接官は聞きたいと考えています。

 

ですので面接に臨む場合は、必ず中退した理由をはっきりと答えられるよう事前に準備しておきましょう。なお、その理由については、必ずポジティブな印象を相手に与えられる内容で仕上げてください。

 

学業不振で中退した場合

大学の専攻分野は自ら選んで選択しているため、興味が湧かなかったという理由は、本当のことだとしてもあまりはっきりと言うべきではありません。

あるいは単位が不足して進級できなかったなどの理由も、単位を取るための努力が足りなかったのではないか?と考えてしまうので、学業不振による中退は慎重に答えなければいけません。

 

回答のポイントとしては、”学業不振で中退したことを深く反省している”ということをしっかり伝えることです。例文としては以下のようになります。

高校のとき、あまり将来や自分と向き合うことなく、試験を受ける大学を選び入学しました。しかし、大学での授業に興味を見出せず、単位を落とし、留年することになったので退学を選びました。もっと将来について考えればよかったと猛省しています。

就職については、そう簡単にやめるわけにはいきませんので、自分がやりたい!と心から思えること。また、私ができることも踏まえた上で、御社の求人に応募させていただきました。

 

経済的な事情で中退した場合

経済的な理由で中退した場合は、自分の努力では変えられない外的な要因ですのではっきりと面接官に伝えて構いません。

ただし、”なんとかして大学に通い続ける努力はした”ことを伝えるようにしましょう。困難にも立ち向かえる前向きな姿勢をアピールできるので、上手くやればマイナスではなくプラスのイメージに転換できます。

両親の事業が芳しくなく、経済的に大学に通うことが難しくなりました。当初はアルバイトでなんとか学費を稼いでいたものの、学業に専念できずかなり単位を落としていました。

また、「少しでも両親を経済的に支えたい」とも思うようになり、大学を中退して社会に出る決心をしました。

 

病気・怪我で中退した場合

経済的な理由と同じく、病気やケガもはっきりと面接官に伝えてかまいません。もし、病気による通院が定期的に必要であれば、それもはっきりと伝えておくことが重要です。

 

伝える上でのポイントとしては、”現在はすでに回復し健康に働ける”ことをアピールしましょう。

実績や経験が豊富な人材ならともかく、働いたことがない人を採用するので、採用して働けないようでは会社としても困るので、その点を意識して以下にように伝えると良いでしょう。

交通事故に巻き込まれ半年間の療養とリハビリが必要だったため、両親や先生とも相談した結果、やむなく大学を中退する決断をしました。リハビリも順調に進み、現在はご覧のとおり元気に動けるようになりました。

療養中に体力が落ちたこともありますが、無理のない範囲でウォーキングやランニングを行なっていますので、働く上では全く支障はありません。

 

ただ、例文を参考に回答を考えても、「これで良いのか?」と悩む人も多いはずです。

その場合は、大学中退をされた人を対象に就職支援をしているエージェントに相談するのも手段の1つ。自分的には良い答えと思っていても、あまり面接官には響かない回答の可能性も高いので、面接の練習をエージェントにお願いすると良いでしょう。

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大学中退の理由は面接で問われないケースもある

これまで大学中退については面接官から聞かれることを前提に話を進めてきましたが、最近はその理由について問われないケースも増えてきました

 

今までだと、高い学歴を有することが、その人の能力の証明として考えられていました。しかし、1998年のフランク・シュミットとジョン・ハンターの研究により、学歴と仕事の能力はほとんど関係がない、ということがわかってきたのです。

そのため、学歴よりも単純にその人の人間性や能力を持って採用を決める、という会社も増えています。

 

とはいえ、大多数の企業は大学中退を気にしますので、準備は万全にして『聞かれなかったラッキー!」くらいで考えておくと良いでしょう。

 

就職面接におすすめのYouTube教材

大学中退の人にとって、その理由をどう答えるかは非常に重要な対策です。

しかし、それだけでは採用はされません。うまく答えられても、あくまでマイナスが多少のプラスに変わる程度ですので、就職面接全体の対策もしっかりとおこなっておく必要があります。

 

ということで最後に、就職面接におすすめのYouTube教材を2つご紹介しておきます。面接において重要な要素が含まれていますので、必ず見ておくことをおすすめします。