- どうせならやっぱり安定の大企業に就きたいけど、どうすれば入れるかな?
- 大学を中退したら有名な大手企業には入社できないって聞いたけど…
- 大企業って中途採用の求人ってあるのかな?どこで探せば見つかる?
結論から言うと、大学中退の経歴がある人が大企業に入るのは相当に難しいです。と言うより、できないと考えた方が賢明でしょう。
大企業で働く人のほとんどは新卒で入社しています。大学中退の場合、新卒採用ではなく中途採用に応募するのが基本なので、大企業に入るための方法がない、と言うのが主な理由です。
この記事では、大学中退が大企業に入社できない理由を3つお話しします。その上で、大企業にどうしても就きたい!という場合、どうすれば良いのか、その方法まで含めて解説します。
日本の大企業の割合と大企業就業者の割合
大企業と大手企業、この2つは意味が同じだととらわれがちですが、実は大きく違います。大企業や大手企業を目指すなら、2つの違いは理解しておきましょう。
大企業は従業員数や資本金額の大きな会社で、大手企業はその業界で知名度がある・シェア率が高い会社のことです。そのため、大手企業には中小企業も含まれています。
大手企業には明確な基準がありませんが、大企業は以下の条件を満たしていることが求められます。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業・建設業・運輸業・その他の業種 | 3億円以上 | 300人以上 |
卸売業 | 1億円以上 | 100人以上 |
サービス業 | 5,000万円以上 | 100人以上 |
小売業 | 5,000万円以上 | 50人以上 |
では、日本にある企業のうち、この条件に当てはまる大企業はどの程度の割合であるのか。グラフにすると以下のようになります。
引用:総務省統計局「平成26年経済センサス‐基礎調査」
日本には約400万近くの企業がありますが、その中で大企業の条件を満たすのはたったの1万社程度です。
これだけでは、大企業の労働者はほんの一握りに見えますが、大企業は抱えている労働者の数も相当多いです。そこで、大企業で働く人の割合をグラフにすると以下のようになります。
引用:総務省統計局「平成26年経済センサス‐基礎調査」
つまり、3人に1人は大企業勤めなので、従業員の数から考えればそこまでハードルは高くないと言えます。
大企業と中小企業の給料の違い
大企業に入りたいと考える人はとても多いです。その理由としては、倒産する可能性が低いこと、給料などの条件が良いイメージがある、という2つの理由が考えられます。
確かに、大企業は知名度は高く、業界の下支えをしているケースが多いので、中小企業よりも圧倒的に倒産する可能性は低いです。
では、給料についてどうか。厚生労働省が調べたデータをもとに、月収の平均を計算すると以下のようになりました。
大企業 | 中企業 | 小企業 | |
---|---|---|---|
男性 | 37万7,100円 | 33万1,700円 | 30万2,400円 |
女性 | 26万6,400円 | 25万3,100円 | 23万2,900円 |
引用:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
男性・女性ともに大企業は月収が高く、特に男性は中小企業と比べて4万円以上も差がありました。
大学中退だと大企業に入れない3つの理由
大企業で働く人は労働者全体の約3分の1なので、可能性は十分あると考えられます。
ですが、大学中退の場合は話は別です。お話しした通り、大学を途中で辞めた場合は、大企業や大手企業に入社するのはほぼ無理と思ってください。
それには以下の3つの理由があります。順を追ってお話ししましょう。
- 大企業は新卒採用がメイン
- 中途採用は高い能力・経験が必須
- 純粋に競争率が高すぎる
大企業は新卒採用がメイン
企業が人材を雇う方法には、新卒採用と中途採用の2つがあります。
ですが、大企業はそのほとんどを新卒採用で行なっています。その理由は以下の通りです。
大学中退でも、場合によっては新卒・既卒採用に応募することはできます。
しかし、それはあくまで申し込めるというだけで、採用されるかどうかは別の話です。詳しくは、大学中退すると中途採用しか応募できない?新卒採用との2つの違いにまとめていますので、どちらの記事をご覧ください。
中途採用は高い能力・経験が必須
新卒採用では応募ができない場合、あとは中途採用となりますが、これはとてもハードルが高い方法です。
中途採用は、すでに働いた経験がある人を、これまでの経験や得た能力を基準に評価して雇い入れます。つまり、大学中退では労働経験がないので、中途採用で評価できるポイントがないのです。
労働経験がないと、そのコストがどうしても必要になります。労働経験や特別な能力・経験がないと中途採用はされないのです。
純粋に競争率が高すぎる
給料がいい大企業で働きたい!と思う人は世の中にたくさんいます。それは、求人倍率を見れば明らかです。
リクルートワークスの2012年の調査では、5,000人以上の大企業で0.49倍、300人以下の中小企業では3.35倍と圧倒的な差がありました。中小企業に比べて大企業は、実に7倍近くも入社しにくいのです。
大学中退なら大企業への入社は諦めるべき?
これまで、大学中退なら大企業は難しい、という話を繰り返してきました。
ですが、絶対にできないわけではありません。短期的に見れば入社は難しいですが、長期的な視点で取り組めば大企業や最大手企業に入社することも可能です。
その方法として、2つを順に紹介します。
あくまで長期的視点なので、来月や再来月に入社できる、というものではないことだけは念頭においてください。
将来的に大企業で働けるようにキャリアを積むことが重要
新卒採用で大企業に入ることはほぼ不可能です。そのため、大学中退からすぐ入社はできないので、中途採用に絞ることになります。
とはいえ、お話しした通り、中途採用には能力・実績ともに十分な人が応募しています。そこで、今から3年〜5年は中小企業で経験や能力を高めることに集中しましょう。
- 就活をして中小企業の正社員になる
- 3〜5年間で経験・能力・資格を積みあげる
- 転職活動して大企業に中途入社する
この流れが一番可能性が高いです。今はまず正社員になって、転職活動で戦える素地をつけることが重要です。
おすすめの就職サイトやエージェントを、大学中退の元フリーターがおすすめの就職エージェント|各サイトのポイントと内容にまとめました。正社員を目指すなら必ず必要な情報なので、チェックしておくことをオススメします。
アルバイトからの正社員登用も1つの選択肢
転職よりも少し危ないですが、アルバイトからスタートするのも可能性としてはあります。
アルバイトは、2〜3年の経験をした上で正社員登用されるケースもあるので、数年間は耐える必要がありますが選択肢としては十分ありです。
しかし、確実性が高いものではなく、もし正社員になれなければ正社員への就職が年齢的に難しくなる、というリスクもあります。そのリスクについては、アルバイトから正社員登用は難しいの?【デメリットの方が大きいよ】にまとめましたので、そちらの記事をご覧ください。
以上です。
結論として、大企業に入りたいなら、とりあえずは中小企業に就職してキャリアを積むことが重要ということです。質問があれば。TwitterのDMやお問い合わせページからどうぞ。