ハローワークにカラ求人があることは間違いありません。
カラ求人とは、雇い入れる気がないのに掲載されている求人のこと。ハローワークはそんな求人が多くなる仕組みになっているので、今後もなくなることはないと言っていいでしょう。
ですので、ハローワークにカラ求人があるという問題は、求職者にとって見過ごせる話ではないはず。そこでこの記事では、以下の内容をご紹介します。
- ハローワークにカラ求人が多い理由
- カラ求人は詐欺ではないのか
- ハローワークのカラ求人を見分ける方法
- ハローワークよりもカラ求人が少ない就職エージェントについて
悩みに悩んで応募を決め、必要な書類を準備し、面接にまで行ったのに結果はカラ求人のため不採用…。そんなことにならないように、前もって見分ける力は必要ですので、ぜひ参考にしてください。
ハローワークにカラ求人が多い6つの理由
ハローワークにカラ求人はあります。その被害にあった人はとても多く、Twitter上でもそのようなツイートをよく目にします。
「ハローワーク」という仕事を紹介してくれる施設が日本に存在している。
これは税金で運営されている。
昔利用したことがあるが、カラ求人と呼ばれる求人ばかりで、僕は求職活動の途中でカラ求人の企業に当たり、その企業の面接で散々罵倒されて雇用されなかったことがあった。— rabbitfire1@5Ghz💉 (@rabbitfire1_) September 19, 2020
ハローワークの存在って、未だに分からないんだよ。書類の条件と違う企業が多々あるし、さらに酷いのは、面接できても採用する気がない企業が多いこと。
日本の就職支援は、嘘の書類で人材を釣って、過度に働かせて、捨てゴマのように人を企業に切らせるイメージしかないな。
— 蒼山喫茶@平凡なバイク乗り (@yossancb) August 21, 2018
ただ、なぜ人を雇う気がないのに求人を出しているのか。簡単にいうと、企業側とハローワーク、どちらかに求人を掲載するメリットがあるんです。
ここでキーワードとなるのは、「ハローワークへの求人掲載は無料」ということ。それを念頭において、カラ求人がある理由を6つご覧ください。
求人の取り下げを忘れている
ハローワーク、もしくは企業側の人事担当が、求人の引き下げを忘れているというミスはよくあります。
求人の掲載は無料ですので、ずっと出されていてもお互いに気づかず、応募者が出てようやく取り下げるというのがこのケースです。
本来なら、ハローワーク側が時期をみてチェックすべきですが、残念なことにあまりにも求人が多く、まったく確認をしていないのが現状。つまり、どちらかが忘れれば、掲載期限が来るまではずっと残り続けるわけです。
補足
ハローワークの掲載期限は、原則として掲載日から翌々月末まで、と決まっています。近づくと企業側に確認の連絡が入るので、すでに採用が決まっていればその際に求人は削除されます。
優れた人材を待っている
企業側に採用する気持ちはあるものの、限りなくカラ求人に近い、という場合もあります。それがこの良い人材の応募待ちのケースです。
人員不足ではないものの、優れた人材なら採用したい。どうせ求人の掲載は無料なのでとりあえず網を張っておこう、というのが意図です。
ですので、経歴や能力が人よりも素晴らしいなら採用はされます。
職員にお願いされて掲載している
実はハローワークには、求人の掲載数にノルマが課せられています。
というのも、求人数が多ければ有効求人倍率(1人あたりの求人数)が良くなるため景気が良い、と判断できるからです。そのため、職員は一定のノルマを強いられていて、わざわざ企業に頭を下げて掲載してもらっています。
『「今後の転職活動の参考のために」とお願いし、不採用の理由を聞くと「仕事がお茶くみなので女性しか雇わない」という会社ばかり。面接のときに「ハローワークから『ノルマを課せられてるから出してくれ』と頼まれて、仕方なく求人を出してるんだよね」と言われたこともあった。』
— 猫みつを (@mitsu320) October 27, 2019
これらは完全にカラ求人ですので、応募したところで採用されるはずはありません。お願いされて仕方なく載せているだけなので、みなさんが応募するかどうか悩んだ時間が無駄になるだけです。
会社の宣伝効果
マーケティング用語に「ザイオンス効果」というものがあります。これは、何度もその言葉に触れている間に好感を持つようになる、という心理テクニックの1つです。
つまり、会社の名前をみる機会が増やせると、それだけ評価が高くなるので業績も大きくすることができます。
それを知ってかしらずか、宣伝の1つとしてカラ求人を掲載する企業もあるようです。効果はそこまで期待できないものの、無料でできるマーケティングと考えれば悪徳企業がする可能性は十分あります。
助成金目当て
ハローワークを運営しているのは厚生労働省ですが、厚生労働省は色々な助成金制度を作っています。
例えば「トライアル雇用助成金」は、企業側が3ヶ月だけ毎月最大4万円(5万円の場合もある)の給付を受けることができますが、3ヶ月後に雇い止めをする前提で採用すれば、その3ヶ月間は安い人件費で働いてもらうことができるわけです。
とはいえ、ハローワークも助成金の悪用には厳しいのでその可能性は極めて低いといえます。しかし、そのような助成金制度をうまく使って、一定期間だけ求職者を働かせて解雇するという企業も存在します。
新人の面接練習
いくら模擬的な練習をしても、面接の本番はうまくいかないということを皆さんも一度は経験したことがあると思います。
これは相手の人事担当も同じで、新人に経験を積ませるために求人を掲載し、書類審査はあっさり通過させて面接まで行う、というケースもあります。
以上、カラ求人が多い理由をまとめました。お気づきのとおり、すべてはハローワークだと求人を無料で掲載できる、というのが根っこにある問題です。
ですが、ハローワークの求人掲載は有料にするわけにもいきません。なぜなら、すべての企業に公平な機会を与えるため、お金がある・ないで掲載できるかどうかを決めるわけにはいかないからです。そのため、今後もカラ求人がなくなることはないでしょう。
ハローワークのカラ求人は罪にはならないのか?
ハローワークにカラ求人があれば、それは法令上でいえば罪にあたります。
職業安定法の第65条の8には、「虚偽の条件を提示して求人の申し込みを行えば、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と記されています。ですので、訴えを起こせば、その企業は罪を被ることになる可能性は高いです。
ですが、カラ求人で被害にあった人が訴えなければどうしようもありません。訴える暇があるなら、早く次に進んで就職先を探す方が賢明でしょう。
また、仮に訴えたとしても、本当に意図してカラ求人を出していたのかを証明することはかなり難しいです。
ハローワークでカラ求人を見分ける具体的方法
たとえハローワークにカラ求人があったとしても、それを見分ける方法さえわかっていれば、皆さんが労力や時間を割かれることはないはずです。
そこで、その可能性が高い求人の見分け方や、実際に人材を募集しているのかチェックする方法をまとめますので覚えておきましょう。
求人票の作成年月日をチェックする
ハローワークの求人票には、作成した年月日が記されています。
引用:大阪ハローワーク「求人票(表)」
この受付年月日が半年や1年近く前の日付なら、カラ求人である可能性は高いと言えます。まずはその求人がいつ掲載され始めたのかをチェックしてみるといいでしょう。
条件が良すぎる等のおかしな点の有無
他の求人よりも給料が高く、年間休日も多い。そのような求人にはすぐにでも応募したくなりますが、その場合も作成年月日をチェックしてみると良いです。
条件が良いにも関わらず掲載してから時間が経っていて、紹介期限日が迫っているような求人はカラ求人の可能性があります。
ハローワークでは1日に多くの人が求人を検索していますので、好条件ならすぐに応募が集まるはず。ですが、長く掲載されているのであれば、不採用を出し続けているカラ求人です。
過去の応募・採用状況を確認する
怪しい求人があったとしても、それがカラ求人である可能性は100%ではないので、応募する方向で考えるべきです。
とはいえ、そうであった場合は時間の無駄になりますので、まずはハローワークの職員にその求人の応募状況や採用状況を確認してみましょう。
応募人数は多いのに採用された人がいない、または採用枠と同数の人数が既に採用されているならカラ求人の可能性があります。
追加して、採用人数が1人なのに、ここ数ヶ月で何人も採用されているのであれば、離職率の高いブラック企業だと予想できますので、条件が良くてもやめておくほうが無難です。
会社名+求人で検索してみる
ハローワークとは別に、他の求人情報を探してみるのも見分ける方法の1つです。
検索窓に「会社名」と「求人」のワードを入れて検索をすると、現在掲載されているものや過去に掲載していたものまでヒットすることがあります。
もし募集中であれば、ハローワークでも募集しているはずですので問題ありません。ですが、すでに掲載が終わっているのであれば、ハローワークはカラ求人の可能性大です。
以上の方法で、カラ求人はある程度は見分けることができます。逆にこの4つに引っかからなければ、それは求人募集していると判断して応募してみましょう。
ハローワークよりもカラ求人が少ない就職エージェント
ハローワークは無料で求人掲載できるので、どうしてもカラ求人は避けられません。
ですが一方で、民間企業が運営している就職エージェントは掲載するのに費用がかかります。数十万から数百万と、まったく安くない金額を支払って人材募集していますので、ここにカラ求人を出す可能性は極めて低いです。
ですので、カラ求人にだまされて無駄な時間を浪費する可能性があるハローワークよりは、就職エージェントを活用した方が安全性は高いと言えます。
どちらにしても利用するのは無料ですので、併用するのも1つの方法でしょう。おすすめの就職エージェントを紹介しますので、どちらが良いのか考えてみてください。
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30代はキャリアスタートが利用できませんので、以下の記事を参考にしてください。
以上、ハローワークにカラ求人についてまとめました。