- 大学を中退したので就活を始めたいけど、何から手をつけたらいいのかわからない…
- 何度か就職活動にチャレンジしようと思ったけど、うまくいかない気がして前に進めない…
- 大学中退後はスムーズに正社員になりたい。あまり時間をかけてストレスを感じたくない!
大学を中退すると、正社員になるのが大変なのは紛れもない事実です。しかし、大学中退ならではの就職活動における問題点を理解できれば、正社員になれる可能性はかなりアップします。
この記事は、実際に大学中退した筆者が、中退してから正社員になるための就活のノウハウやポイントをまとめています。ここに書かれたノウハウをしっかりと実践できれば、1ヶ月もあれば就職は十分可能です。
僕も大学中退をしてかなり就活に苦労しました。体験談を以下の記事に書きましたのでご覧ください。
≫大学中退から就職できた体験談|27歳のフリーターが正社員になれた5つの極意
\大学中退の就活はエージェント選びで決まる/
就職サイトとかエージェントがありすぎてよくわからない! 大学中退してても正社員になれる求人ってどこで探せば見つかるの? フリーターでいた時期が長いから応募しても落とされてしまうかも… 以[…]
大学中退者の現状
就職活動の話を始める前に、まずは大学中退者の現状を考えます。
というのも、自分がどうゆう状況に立っているのかわからないと、イメージしていた就活とのギャップに苦しみ、結果的に諦めてしまう可能性が高いからです。
現状として、以下の2つを押さえておくと良いでしょう。それぞれ解説します。
- 大学中退者は全体の7%程度
- 大学を中退して後悔する人は多い
大学中退者は全体の7%を占める
大学を中退する人は、1年間に限ると1.7%ほどと少ないですが、卒業までの長期で見ると約7%もいます(「ひらく 日本の大学」2018年度調査結果報告より)。
つまり、まわりにいないだけで思っているよりも大学を中退する人はたくさんいて、みなさんと同じように就職について悩んでいるのです。
ちなみに、「経済的に苦しくなった」というのが一番多そうではありますが、意外と3つ目に多い理由でした。
大学中退して後悔する人は多い
大学を中退した時点では悩みから解放されて清々した気持ちが大きいものですが、後になり中退したことを後悔する人はかなりの割合でいます。
試しにGoogleで「大学中退 後悔」と検索してみましょう。以下のような結果が表示されるはずです。
「人生終了」「クズ」「死ぬしかない」など、マイナスの言葉が並んでいます。それだけ思い悩み、苦しんでいる中退者が多いわけです。
後悔する主な理由としては、以下の3つが考えられます。それぞれ順にまとめます。
大学中退に対するイメージが悪い
大学中退者は世間的にあまりイメージは良くありません。
中退率は7%ですから、数字の上では卒業するのが当たり前と言えます。口にはしませんが、まわりからは「中途半端に投げ出す信念のない人」だと思われているのです。
正社員としてなかなか採用されない
厚生労働省の発表によると、令和3年3月の大学卒業者の内定率は96%でした。
一方で、大学中退者の就職率は約26%ほど。つまり、4人に1人しか正社員になることができないのです。
大学卒業と比べて給料が安い
日本の企業の多くは、今でも学位によって基本給を決める傾向があります。そのため、高校卒業の学歴となる大学中退者は、給料が低く設定されるのが普通です。
- 大卒(男):21.0万円
- 大卒(女):20.2万円
- 高卒(男):16.6万円
- 高卒(女):16.2万円
引用:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」
初任給だけ見ても約4万円ほど違います。年齢が上がればその差はどんどん開くので、生涯年収で考えると数千万単位で変わるのです。
大学中退を後悔している理由については、以下の記事に詳しくまとめたのでご覧ください。
≫大学中退を後悔した?中退してよかった?|辞める前に考えてほしい2つのこと
大学中退後に就職活動を始めるタイミング
大学を中退すると、就職活動をスタートするきっかけが特にありません。
そこで、とりあえずアルバイトを始める人が多いですが、僕は中退後はできるだけ早く就活をするべきだと考えています。
フリーターになると就職が遠のく可能性が高い
フリーターは基本的に職歴とはみなされません。
アルバイトは単純な仕事をしてもらうために雇うのが普通ですので、たとえバイト先が重労働で大変だったとしても、バイト程度の能力しかないと企業側からは見られます。
フリーター歴が5年にもなれば、就職率は20%にまで下がります。大学を中退した上にフリーター歴が長いとなると、その後の就職活動は相当厳しくなるのです。
参考記事
大学中退者にベストな就活時期|求人が多いタイミングと就活を遅らせるリスク
大学中退者の就職先
大学を中退すると、就職先の選択肢は少なくなります。
現在でも大企業をはじめとする多くの会社は、応募条件に「四年制大学卒業」と書いています。そのため、高校卒業にあたる大学中退者は、大卒よりも仕事は限定されるのです。
しかし、少なくなるとはいえ、日本には1万7,000を超える職業があることを考えれば、そこまで問題にすることではありません。
将来性なども踏まえると、以下の職種はかなりおすすめです。
- 営業(法人・消費者)
- Webデザイナー
- プログラマー・エンジニア
- 介護・保育
- 建築・建設
- 広告
仕事を選ぶ上で重要なのは、これからも一定以上の人材が必要とされるかどうか?という視点です。
例えばトラックの運転手は、今はまだAmazonやらのネット流通で需要はありますが、自動運転技術が加速しているため、なくなる可能性は非常に高いと言えます。今の時代の流れを踏まえて、仕事は選ばなくてはいけません。
大学中退でも公務員への就職は問題なし
公務員は公平性を保つために、基本的には学歴で線を引くことをしていません。そのため、大学中退でも公務員は目指すことができます。
サラリーマンと違って、公務員はクビになることがほぼありません。入って真面目に仕事をしていれば、一生仕事に困ることがない大きなメリットがあります。
また、公務員はホワイトな職場だと思われがちですが、実際に働いている人はブラックだと言う人も多いです。事務作業が多く、やりがいがないと感じる人も多いようなので、必ずしも公務員が良いとは言えません。
大学中退からの起業はリスクが大きい
会社に就職せずに起業するというのもひとつの選択肢です。
在庫がなくてもできるビジネスはたくさんあるので、とりあえずアルバイトをして、アイデアが思いついたら取り組むのもアリでしょう。
むしろ、成功しない可能性が高いことを考えれば、ギャンブルに近いとも言えるのであまりオススメではありません。
仮に起業するなら、働きながら休みの日だけ副業する”週末起業”がベストです。うまくいけば会社を退職してシフトすれば良いので、リスクを最小限にすることができます。
参考記事
大学中退が起業するのはアリ?【ポイントとリスクと安全策について】
大学中退の就活5つのポイント
大学を中退すると、在学中の大学生のような方法で就活をしても上手くはいきません。
そもそも、中退者は新卒の枠に入れないので、応募したところで採用されるはずがありません。中退者は別の流れで正社員になる必要があります。
以下は基本的な流れです。
この流れを採用が決まるまで何度も繰り返します。
企業によっては、SPIなどの能力・適性検査や作文を試験にしていることもあるので、求人資料はしっかりとチェックしましょう。
その上で、大学中退における就活のポイントは5つあります。就活を始める場合、この5つは徹底して守ってください。
- 非正規からではなく中途採用で正社員を目指す
- 書類選考は大学中退で得られたメリットで通過する
- 面接は前向きに堂々とした姿勢で取り組む
- 応募する求人は大学中退者向けのサービスから選ぶ
- 資格取得を就職活動を並行して行う
非正規からではなく中途採用で正社員を目指す
正社員になるための方法には、大きく分けて4つあります。
- アルバイトから正社員登用される
- 派遣社員から正社員登用される
- 契約社員から正社員登用される
- 中途採用で正社員になる
その理由をそれぞれの問題点とともに簡単にまとめます。
アルバイトからの正社員登用について
アルバイトは1日8時間のフルタイムで働くこともできます。
しかし、フルタイムだと働いていることに満足してしまい、そのままずっとアルバイトとして過ごす可能性が高いです。
アルバイトは基本的に職歴とはみなされないので、長く続けてもあまり意味はありません。フリーター歴が長い人ほど、正社員になれる確率が低くなることはすでにお話しした通りです。
参考記事
大学中退してもアルバイトはできる?【生活ぶりやその問題点とは】
派遣社員からの正社員登用について
派遣社員からスタートして、そのまま派遣先で正社員として雇用してもらうことも少なくありません。
ただ、その確率は17%ほど。6人に1人しか正社員になれていないのです。
正社員を期待して長く働いても、契約期間がきたらあっさりと終了という可能性が圧倒的に高いのが派遣なのです。
参考記事
大学中退で派遣社員になるリスク|正社員になれる割合と雇い止めについて
契約社員からの正社員登用について
契約社員は正社員よりも採用されやすく、また仕事においてもある程度責任を求められるので、契約から始める人も多いです。
また契約社員は、正社員と同じ仕事や責任を求められることが多いのに給料は正社員より安い、という問題もあります。
契約社員は企業にとっては良い労働力ですが、働く人にとってはまったく良い条件ではありません。
参考記事
中途採用への応募について
正社員としての就職を目指すなら、中途採用を狙うのがベストな選択です。
中途採用は、事業の拡大や退職による欠員で募集されるので年中行われています。企業の多くが決算に近づく1月〜3月が中途採用の求人が多くなるとされていますが、そこにこだわる必要はありません。
その理由と具体的な対策については後ほど説明します。
参考記事
大学中退すると中途採用しか応募できない?新卒採用との2つの違い
書類選考は大学中退で得たメリットで通過する
就活の一番最初の壁は書類選考です。大学中退者は書類選考の通過率がとても低く、ここで心が折れてしまう人は少なくありません。
あまりにも通らないので、大学中退した経歴を書かないという人も多いですが、それはやめてください。学歴詐称にあたる可能性もあるので危険です。
「フルタイムのバイトを通して社会の厳しさを経験できた」「中退して自分の人生と真剣に向き合うことができた」を書かれていれば、その姿勢に惹かれて面接に呼ばれる可能性は高くなります。
参考記事
大学中退の最終学歴|履歴書の書き方と書かない場合のデメリット
面接は前向きに堂々とした姿勢で取り組む
大学は自分自身で考え選択をし進んだ進路ですので、中退したのが自堕落な理由であれば、採用しても同じように辞める可能性が高いと考えるのが普通でしょう。そのため、就職面接では大学を中退した理由を聞かれるケースがほとんどです。
理由はどうあれ、面接では絶対に中退したことに後ろ向きな姿勢を見せてはいけません。
面接官に突っ込まれた場合にどう切り返すかも、事前に文章化して頭に入れておきましょう。
参考記事
大学中退での就職面接|中退理由ランキングとケース別の上手な伝え方
ニュースを見て時事問題はある程度把握しておく
面接では話題になったニュースや事件について、意見を求められることもあります。すべての時事問題を知っておくことは不可能ですが、世間の多くが知っていることと応募した企業の業界に関する話題は押さえておきましょう。
また、面接官が時事問題を聞くのは、出来事を理解し考察できるか判断するためでもあります。
そのため、その話題をもとに、自分なりの考えを言葉にすることも重要です。普段から色々なニュースを見て、考える習慣をつけておくと良いでしょう。
応募する求人は大学中退者向けのサービスから選ぶ
基本的に中途採用枠は、正社員経験者が応募するための求人です。そのため、大学中退者が応募しても、不採用になる可能性が圧倒的に高くなります。
就職サイトとかエージェントがありすぎてよくわからない! 大学中退してても正社員になれる求人ってどこで探せば見つかるの? フリーターでいた時期が長いから応募しても落とされてしまうかも… 以[…]
中退者向けのサイトにある求人は、正社員未経験の人がほとんどなので採用される可能性がグッと高くなります。
中には、書類選考なしで面接にいけるサイトもあるので、就活にかける労力や時間もかなり短縮できます。
ハローワークは大学中退者に不向きなサービス
ハローワークには正社員の求人が多数ありますが、大学中退者にはあまりオススメしていません。
その1番の理由は、正社員就職の実績が低い点にあります。利用者の多くはアルバイトなどの短期労働として仕事に就いているので、職員がアルバイトから始めるように勧めるケースも多いのです。詳細は以下の記事でご覧ください。
参考記事
大学中退者がハローワークでは正社員に就職できない3つの理由とは?
資格取得を就職活動と並行して行う
資格の有無は、就職活動にそこまで大きな影響はありません。大学を中退してアピールできるものがないため、とりあえず資格を取ろうとする人は多いですが、遠回りになるだけなのでやめておきましょう。
資格取得するなら、就職活動と一緒に進めるのがベストです。
参考記事
大学中退で資格なしだと就職はできない?【無理ではない2つの理由】
以上が大学中退における就活のポイントです。これらすべてのことを実践できれば、たとえ大学を辞めていても正社員になることは可能です。
大学中退の就活におけるスーツ選び
就職活動は企業からの指定がなければ必ずスーツを着用します。これから就活をスタートするなら必要なので、とりあえず1着は用意しておきましょう。
ただし、リクルートスーツを買ってはいけません。大学中退は基本的に転職活動にあたるので、ビジネススーツを購入してください。
- ビジネススーツ
- ワイシャツ
- シューズ
- ネクタイ
- 靴下
- バッグ
これらを一式準備しておくと良いでしょう。総額は大体7万〜10万円ほどです。
高いものを揃える必要はありませんが、あまり安いものは見た目ですぐに分かりますのでほどほどのものをオススメします。
大学中退してもホワイト企業に就職はできる
大学中退するとブラック企業に就職する可能性が高くなります。
就職率が低いので応募しても採用されず、次第に条件の良くない求人しか応募できなくなります。これが大学中退がブラック企業に入ってしまう大きな理由なのです。
しかし、必ずしもそうなるというわけではありません。
ブラック企業が多いハローワークや、一般の転職で使用される求人サイトを避ければ、良い会社に就ける可能性は高くなります。
ちなみに、大学中退向けの求人サイトは労働環境や条件をしっかりチェックして登録されるので、ホワイト企業である可能性がとても高いです。必ずチェックしておきましょう。
まとめ
大学中退者の就活は、在学中の大学生の方法とまったく違います。
また、大学中退の経歴は就活において、思った以上にとても重い十字架です。その上、アルバイトなどでフリーター歴が長くなると、どんどん正社員になれる可能性が下がっていきます。
- 少しでも早く就職活動を始める
- 大学中退者向けの求人サイトから仕事を探す
就活するか決めるのは自分自身しかいません。まわりから言われ始める時には、すでに相当遅れている場合が多いので、言われる前にチャレンジするようにしましょう。